ここに掲載されているウィスキーはすべて売り切れです。
価格は当時(2005年頃)の当店での販売価格です。
あくまでも当時の資料としての掲載です。予めご了承ください。

JAPANESE SINGLE MALT WHISKY


 
日本のSINGLE MALT WHISKY ニッカ ウヰスキー   


「一
本の万年筆とノートでウィスキー作りの秘密を盗んでいった」
ニッカ創業者、竹鶴政孝の話をするときに必ず耳にする言葉である。昭和37年の来日時、英国のヒューム副首相が来日した際の一言であったそうだ。日本のウィスキーの品質の高さに対するユーモアを交えた本音。いかにも英国人らしい。ところで竹鶴が英国から持ち帰ったのはウィスキーの製法だけではなく、生涯の伴侶リタも英国からであった。当時の国際結婚は現在からでは考えられないくらい難しいことであったそうだ。この辺から見ても竹鶴は、非常に情熱的で、ロマンチストな人物であったことがうかがい知れる。それはウィスキーにも現れているように思うし、蒸留所を訪れれば未だその志はしっかりと生きていることを感じさせてくれる。
 かつてワイン界に衝撃を走らせた1976年パリでの出来事。名だたるボルドーの銘醸ワインがカリフォルニアの名も無いワイナリーのワインにブラインドティスティングで敗れるという事件。この事件とリンクしてマイケルジャクソンも最近の著作の中で2001年のウィスキーマガジン「ベスト・オブ・ザ・ベスト」での「余市10年物」の出来事に触れている。世界に認められたジャパニーズ・ウィスキー。世界に衝撃を走らせたカリフォルニアワイン。ウィスキーとワインという違いはあるが現象としては全く同じ事のように映る。その後カリフォルニアは「ガレージ・ワイン」と呼ばれる個人的に素晴らしいワイを作りたい情熱を持った人々が小規模でとてつもないワインを作り出すようになり、これらは今では、ニュージーランドなどにも波及し非常に高値で取引されるワインの一つになっている。さて、ウィスキー界ではどうか。竹鶴が蒔いた種は着実に実を結んでいる。日本のウィスキーの将来は想像以上に世界で注目されている。


ニッカの二つの蒸留所 ー北海道 余市蒸留所  仙台 宮城峡蒸留所
北海道 余市蒸留所 仙台 宮城峡蒸留所
創業 1934(昭和9年10月) 創業 1969(昭和44年5月)
伝統的な石造りの建物に、直火蒸留のスティル。
二ッカ第一の蒸留所はスコットランド以上に伝統を
重視した重厚な蒸留所。
蒸気式の単式蒸留器と連続式蒸留機を備えた近
代的な作り。二ッカ第二の蒸留所は効率的でモダ
ン。緻密でスマートな蒸留所。
二つの異なる蒸留所にはそれぞれイメージする原酒の性格が異なっている。
北海道の厳しい大自然の中で生まれる余市蒸留所のモルトはハイランド的な力強さを、仙台市の西、清流の側にたたずむ霧
が立ち込める谷間で作られる宮城峡蒸留所のモルトには繊細なローランド的なイメージをそれぞれ求めているように思われる。


北海道 余市 
Yoichi Distillery
余市蒸留所の原点。
Yoichi NEW POT 65%

「余市」 シングル・モルト 未貯蔵原酒 

☆甘い香り、焼酎のような、芋をふかしたような。ストレートで荒い。
これを単品で呑んでも決して良い物ではないが、熟成したウィスキーとの比較は非常に興味深い。
\700
若く、溌剌としたウィスキー。
Yoichi 5years old 63%

「余市」 シングル・モルト 5年物

果実香、チーズ様、少し木香とシリアル。未だ麦のフレッシュなニュアンスを残しつつ、フルーツや木の香りも。以外に柔らかな風味。シンプルではあるが攻撃的な刺激はない。
\1,200
世界デビューを果たした余市の代表的な一本。
Yoichi 10years old 64%
「余市」 シングル・モルト 10年物
☆重厚なウッディネス、ヴァニラ、チョコレート、コーヒー、少しの凝縮した果実香、スパイシー。ビッグでフルボディ。パワフルかつ複雑。樽香が豊かで、厚みのあるあの世界で認められた典型的な余市のスタイル。
\1,500
石狩平野のピートを一部使用した珍しい原酒。
Yoichi "Peaty&Salty" 12years old 58%
「余市」 シングル・モルト ピーティ&ソルティ  12年物
☆スモーキー、磯の香りを感じる。甘い薫香でよく練れている。少しだけシリアルっぽさも残る。かすかにヨードのニュアンスも。きわめて複雑で豊かな味わいを持つ、珍しい原酒。
\1,800

宮城県 仙台 
Miyagikyou Distillery
珍しいシングル・グレーン。
Miyagikyou Coffey Grain 12years old 63%

「宮城峡」 コフィー・グレーン 12年物

☆世界的にも希少なニッカ自慢のコフィー・スティルで蒸留されたグレーン・ウィスキー。樽由来のバニラやキャラメル様の香りから、スパイスやお香の香りに変化。バーボン様、少し有機溶剤、刺激的。舌触りは滑らかで甘く穏やか。複雑で優秀なグレーン。
\1,300
余市モルトと好対照。仙台蒸留所のハウス・スタイルをよく表現した一本。
Miyagikyou Single Malt 10years old 61%

「宮城峡」 シングル・モルト 10年物

☆林檎などの木哉果実のようなフルーティーさ、木香、モルティーな甘味を持つ。エステリーでクリアー。かりんなどの果実香豊か。柔らかな口当たりでアルコールの高さが気にならない。 まだ若いが、未熟ではなく心地よい。バランスのいいモルト。
\1,500
シングル・カスクならではの個性とバランスを兼ね備えた優秀な原酒。
Miyagikyou Single Malt 15years old 58%
「宮城峡」 シングル・モルト 15年物
☆甘く、バニラやキャラメル様の香りが立ち上る。微かで上品なスモーキーフレーバーを伴う。コーヒーや少し鉛筆の芯のような香りも。十分な重さを持った舌触り、心地よい果実味を含む薫香と樽香のバランスがよい。仙台の原酒としてはパワフルだが果実香を含む複雑な味わいは秀逸な出来栄え。
\2,100



オススメの一冊!!

日本のスコッチと国際結婚 「リタとウィスキー」
  
O.チェックランド著 和気洋子[訳]  日本経済評論社
 日英交流史の研究者で知られるオリーブ・チェックランド夫人の著作。ウィスキーの本格蒸留技術を日本に取り入れた竹鶴とスコットランドの妻リタの物語。ウィスキーと言うテーマから眺めれば、竹鶴の蒸留所での実習の様子、日本のウィスキー文化の創生期の話などは貴重な記述だろう。しかし、新しい技術が伝播してゆく過程、その中で生まれる人と人との出会いがもたらす様々なストーリーの大切さを二人の出会いを通じて描き出した著者の視点に気づかされることも多い。また、英国人の日英交流史の専門家が見た日本と言う意味でも、とても興味深い。
 ちなみにこの本の原題は「Japanese whisky Scotch blend」で、ウィスキー関係の著作のひとつとして英国でも知られています。



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